プログラムの企画に先立ち、浜松市において子育て世代と事業者を対象に実態調査を行いました。各地域での実施にあたり基礎資料としてご参照ください。
消費者庁から受託の「地方消費者行政に関する先進的モデル事業」実施のため、浜松市(担当:市民生活課くらしのセンター)のご協力のもと、家庭における消費者教育の取組み状況、課題、支援の在り方等について調査し、親子対象の体験プログラムの開発の基礎資料とする。
全体では、「ある」が24.4%、「ない」が68.1%となっている。
消費生活に関する学習経験がある人(425人)の学習内容は、「情報通信の有効活用、安全確保 (例:インターネット、携帯電話・スマホの安全な利用法など)」(49.6%)が約5割で最も割合が高く、次いで「環境に配慮した生活(例:環境に配慮した製品の購入やゴミの減量など)」(36.5%)、「安全・安心な商品の選び方・表示の見方」(34.4%)、「契約のルールや取引のトラブル防止策 (例:クーリング・オフの仕方など)」(33.9%)が3割台で続いている。
消費生活に関する学習経験がある人(425人)の消費者教育の機会は、「小中学校、高等学校の授業や活動等」が57.4%で最も割合が高く、次いで、「職場での講習会・勉強会等」が32.5%で続いている。
消費生活に関する学習経験がない人(1,188人)の理由は、「講座や催しが開催されていることを知らなかった」(52.9%)が5割を超え最も割合が高く、次いで「忙しく時間がない」(32.9%)が3割強、「講座や催しのテーマに興味・関心がわかない」(19.8%)と「日程・場所が合わない」(19.6%)が約2割で続いている。
接したことがある消費生活に関する情報は、「インターネットトラブルに関する事例」が36.4%で最も割合が高く、次いで「食品の安全性や食品表示制度」(33.4%)、「環境に配慮した商品・サービスの情報や省エネなど」(30.9%)、「悪質商法などの手口とトラブルへの対処」(30.2%)が3割台前半で続いている。なお、「特にない」は26.5%である。
消費生活に関する情報に接したことがある人(1,228人)の主たる情報源は、「インターネット(情報検索)」が68.8%で最も割合が高く、次いで、「テレビ・ラジオ」が51.3%、「新聞・雑誌(フリーペーパーを含む)」が39.2%、「インターネット(SNSの情報、口コミ等)」が33.3%で続いている。
対象のお子さんの普段の生活で問題があると感じている行動は、「ゲームをする時間が長い」が45.2%で最も割合が高く、以下「テレビを見る時間が長い」(28.5%)、「携帯電話・スマートフォンを使う時間が長い」(28.2%)、「物を大事に使わない」(25.8%)が2割台後半で続いている。「特にない」は16.4%で、8割以上の保護者が何らかの問題を感じている。
家庭での約束事(ルール)は、「寝る(起きる)時刻」が67.3%で最も割合が高いが、「ゲームでの遊び方や時間の長さ」も63.0%で続いている。以下、「帰宅する時刻(門限)」(55.5%)、「動画やSNSを見る時間(長さ、時間帯)」(48.4%)の順である。「決めていない」は3.3%に過ぎず、ほぼすべての家庭で何らかのルールを決めている。
子どもと一緒に買い物するときの話題は、「値段」が79.5%で最も割合が高い。次いで、「食品の賞味期限・消費期限」(65.6%)、「本当に必要かどうか」(57.1%)、「エコバックのこと」(46.7%)の順で続いている。9割以上の家庭が子どもと一緒に買い物するとき消費生活に関する話をしていることがわかる。
子ども一人での買い物は、「よくある」(1.3%)と「ある」(37.3%)を合わせた「ある(計)」は38.6%、「ない」(20.1%)と「あまりない」(40.5%)を合わせた「ない(計)」は60.6%である。
子どもが一人で買い物をすると回答した保護者(673人)の子どもの買い物内容の認識は、全体では、「菓子・飲み物など」が86.2%で圧倒的に割合が高い。以下、「文房具」(38.5%)、「本やマンガ」(34.3%)が3割台で続いている。
おこづかいの有無は、「定期的にあげている」(33.1%)と「必要な時にあげている」(34.7%)がそれぞれ約3分の1を占め、「家の仕事をした時にあげている」(11.1%)は約1割である。「あげている(計)」は82.2%、一方、「あげていない」は16.7%である。
おこづかい帳の記帳は、「つけている」(10.0%)と「時々つけている」(6.1%)を合わせた「つけている(計)」は16.1%と少数で、「つけていない」(82.3%)が8割以上を占めている。
子どもがインターネット利用の際に使う機器は、「スマートフォン」(53.0%)と「タブレット」(52.4%)が5割を超え拮抗している。次いで、「ゲーム機」(41.1%)、「パソコン」(32.6%)の順である。「利用していない」は4.8%で、95%の子どもがインターネットを利用している。
子どもがインターネットを利用すると回答した保護者(1,657人)の子どもの平日平均利用時間の認識は、「1時間未満」が33.7%、「1時間以上2時間未満」が32.7%で、2時間未満の利用が3人に2人を占める。「2時間以上3時間未満」(19.6%)は 約2割、3時間以上の利用が合わせて1割いる。利用時間の平均は76分、中央値は60分である。
一方、休日平均利用時間の認識は、「1時間未満」が18.6%、「1時間以上2時間未満」が21.4%、「2時間以上3時間未満」が18.2%、「3時間以上4時間未満」が15.1%と、平日と比べて利用時間が長くかつ分散している。また、4時間以上の利用も合わせて2割以上いる。利用時間の平均は145分、中央値は120分で、平日のほぼ倍である。
子どもがインターネットを利用すると回答した保護者(1,657人)が決めているインターネット利用の約束事(ルール)は、「利用する時間」が71.3%で最も割合が高い。以下「利用するサイトやアプリ」(46.0%)、「ゲームやアプリの課金などの利用方法」(42.4%)、「利用する場所」(41.8%)が4割台、「SNSなどでやり取りをする相手」(22.8%)が2割台で続いている。
インターネット利用の約束事(ルール)を決めている保護者(1,518人)の子どものルール遵守の認識は、「守っている」が34.3%、「大体守っている」が51.5%で、両方を合わせた「守っている(計)」は85.8%に達している。一方、「守っていない」(2.2%)と「あまり守っていない」(11.9%) を合わせた「守っていない(計)」(14.1%)は1割台である。
インターネット利用の約束事(ルール)が守られていないと回答した保護者(214人)の子どもとの話し合いは、「よく話し合う」(43.9%)と「時々話し合う」(49.1%)を合わせた「話し合う(計)」は93.0%で、ほとんどの家庭で話し合いをしている。一方、「全く話し合わない」(0.5%)と「あまり話し合わない」(5.1%) を合わせた「話し合わない(計)」(5.6%)は僅かである。
家庭で教えている消費者教育は、「環境への影響を考えて生活すること」(76.1%)と「お金の大切さ」(75.2%)がほぼ同率で4人に3人が回答し、「約束や決まりの大切さ」(70.5%)も7割が挙げている。以下、「困った時、誰かに相談すること」(62.8%)、「お金の使い方、管理方法」(54.1%)と続いている。
家庭で教えたいと思う消費者教育は、「インターネットの安全な使い方」(70.7%)、「お金の大切さ」(68.8%)、「お金の使い方、管理方法」(68.0%)、「約束や決まりの大切さ」(67.8%)、「困った時、誰かに相談すること」(67.7%)の上位5項目が7割前後で拮抗している。
家庭での消費者教育の際に必要な情報源は、「自身の経験から」が64.8%で最も割合が高く、次いで、5割台前半で「インターネット(情報検索)」(54.8%)、「テレビ・ラジオ」(52.6%)、「家族・知人」(51.8%)が僅差で続いている。
家庭で教える際の課題は、「自分が忙しくて時間がない」が34.8%で最も割合が高いが、「教え方がわからない」も32.6%と僅差で続いている。なお、「特に課題はない」(29.7%)は約3割で、7割弱の保護者が課題を感じている。
親子が一緒に学ぶ機会の重要性は、「思う」が50.0%、「まあまあ思う」が42.3%で、両方を合わせた「思う(計)」(92.3%)は9割以上を占める。
親子が一緒に学ぶための機会は、「学校で開催される親子向けイベントや体験プログラム」が52.6%で最も割合が高く、次いで「学校で開催される親子一緒に講義を聞く機会」が47.9%、「学校外で開催される親子向けイベントや体験プログラム」が33.4%、「学校外で開催される親子一緒に講義を聞く機会」が15.1%となっている。開催場所は「学校外」より「学校」の支持が多く、学習手法は「講義」より「イベント・体験プログラム」の支持が多い。
親子で訪ねてみたい体験プログラムは、「農業(例:有機農業農家 等)」が57.9%で最も割合が高いが、「食品工業(例:加工食品、お菓子)」(55.3%)も僅差で続いている。以下、「伝統工芸・文化(例:遠州織物工房 等)」(49.7%)、「機械工業(例:ものづくり企業 等)」(45.8%)、「水産業(例:浜名湖の漁師 等)」(43.3%)の順となっている。
親子で参加する体験プログラムの内容は、「生産体験をする」が76.6%で最も割合が高く、次いで「見学する」(64.3%)、「生産者の話を聞く」(55.3%)の順となっている。
消費者庁から受託の「地方消費者行政に関する先進的モデル事業」実施のため、浜松市(担当:浜松市企画調整部企画課、市民生活課くらしのセンター)のご協力のもと、浜松市内の企業におけるSDGsの取組み状況、従業員研修等について調査し、モデル事業を実施するための基礎資料とする。
浜松市の企業におけるSDGs達成に向けた目標別の取組状況については、「目標11 住み続けられるまちづくりを」「目標12 つくる責任 つかう責任」「目標8 働きがいも経済成長も」に取り組む企業が多かった。
工場見学や事業所訪問の受け入れなど、消費者と直接交流するような体験的な活動を行っているかという問いに関して、行っていると回答した企業が63.8%、行っていないと回答した企業が36.2%となった。 活動の内容は「職場体験」、「工場見学」、「子ども向け・親子向けの体験教室」、「イベントへの出展」など。
また、活動を行っていないと回答した企業のうち「今後、活動を行う予定がある」と回答した企業は14.3%、「行いたいが課題がある」と回答した企業が28.6%となり、「BtoC製品が少ない」、「新型コロナ感染症対応のため工場見学を見合わせている」といった課題が挙げられた。
「研修を行っている」「研修は行っていないが従業員がSDGsを学ぶ機会を設けている」と回答した企業は39.6%となった。 一方で、SDGsに関連した従業員研修の実施状況について、「研修を行っていない」と回答した企業が53.4%となった。従業員研修を行っていない企業のうち、研修を行っていない理由には、「具体的な方法が分からない」、「幹部など一部社員で止まっている」などがある。 今後の従業員研修実施の意向について、59.4%の企業が「今後実施する予定がある」と回答している。
従業員研修を行っている又は従業員がSDGsを学ぶ機会を設けていると回答した企業での、研修方法は「社内での集合研修」が51.5%と半数以上を占める。その他の研修方法として、「メールや社内報を用いる」、「社内のプライベートネットワーク上に資料を掲載する」といった方法が挙げられた。
どのような内容の研修があれば参加したいと思うかという問いに関しては、「先行事例や成功事例の紹介(64.4%)」が最も高く、「SDGsの基本的な考え方を理解する(62.7%)」、「補助金の交付・税制優遇等の紹介(59.3%)」、「他社との情報交換(57.6%)」が続いている。
さらに、従業員研修をする際に必要だと思うものに関しては、「社内研修への専門講師の派遣(55.9%)」の割合が最も高く、「研修用の教材の提供(50.8%)」、「セミナー等の外部研修の開催(45.8%)」、「e-ラーニング教材の提供(28.8%)」と続いている。